歯磨きしているのに、フロスをする「前」と「後」で除去率が大きく変わります。
関連)https://www.okamuragroup.co.jp/column/2009/
歯間清掃の基本は「糸巻きタイプ」の正しい操作にあります。糸をだいたい30〜40cm(指先から肘くらいの長さが目安)カットし、両手の中指に2〜3回ずつ巻きつけます。 指と指の間に残る糸が10〜15cmになるように調節し、親指と人差し指でピンと張った状態を保つのが基本です。
関連)https://www.kanamaru-dc.jp/news/types_of_Floss.html
歯と歯の間へは、横向きにゆっくりスライドさせながら入れます。これが原則です。 勢いをつけて差し込むと、歯茎に食い込んで出血・損傷の原因になります。歯間に入ったらどちらかの歯の側面に糸を沿わせて、上下に3〜5回動かしてプラークをかき出します。 反対側の歯面も同様に行うため、1箇所につき計2面をケアすることになります。
次の歯間に移る際は、使用済みの糸をいずれかの中指側に巻き取り、新しい面を出してから使います。 これを怠ると、ある歯間の細菌を別の歯間に運んでしまいます。つまり、糸は毎箇所ずつ新面を使うのが原則です。
関連)https://www.kyousei-shika.org/blog/?p=3051
抜き方も重要です。挿入時と逆に、ゆっくり左右に動かしながら抜いてください。うまく抜けない場合は、片方の指からフロスを外して頬側からスライドさせると安全に外せます。
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| 操作ステップ | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 糸を30〜40cmカット | 指先から肘が目安 | 短く切りすぎると操作しにくい |
| ② 中指に巻きつける | 指間を10〜15cmに調整 | きつく巻きすぎると血行障害 |
| ③ 歯間にスライド挿入 | ゆっくり左右に動かす | 勢いをつけると歯茎を傷つける |
| ④ 上下に3〜5回動かす | 歯面に沿わせる | 歯茎にあてすぎない |
| ⑤ 新しい面に替えながら進む | 汚染面を再利用しない | 細菌の移動を防ぐため必須 |
一方で、ホルダータイプにはデメリットもあります。プラスチック部分のサイズがあるため、糸巻きタイプよりも届きにくい箇所が生じる場合があります。 コスト面でも糸巻きタイプのほうが割安で、長期的な使用コストに差が出ます。
「フロスは歯磨き後にやるもの」と思っているなら、今すぐ順番を見直す必要があります。米国歯周病学会(AAP)が臨床試験データをもとに発表した報告によると、フロスを先にしてから歯ブラシをする順番のほうが、プラーク除去率が有意に高いことが示されています。
関連)https://www.aqua-dental-clinic.net/blog/2019/03/post-79-669840.html
理由は明確です。フロスで先に歯間のバイオフィルム・汚れを解きほぐすことで、その後の歯ブラシがより効率的に除去できます。 さらに重要なのが、歯磨き粉に含まれるフッ素の届き方です。フロス後に歯磨きをすることで、フッ素が歯と歯の間まで浸透しやすくなります。 フッ素の効果を最大限引き出すためにも、「フロスが先」は理にかなっています。
一方、歯磨き後にフロスをすると、かき出した歯垢がせっかくきれいになった口腔内に残りやすくなるというデメリットがあります。 つまり、順番ひとつで清掃効率が変わるということですね。
関連)https://www.nagata-d-c.com/news/59/
歯科従事者として患者さんに指導する際は、「就寝前の歯ブラシ前」にフロスを行うよう伝えることが効果的です。 就寝中は唾液分泌が減少し細菌が繁殖しやすい環境になるため、夜に歯間プラークを除去してから休むことが、虫歯・歯周病予防の観点で特に重要です。
関連)https://www.aqua-dental-clinic.net/blog/2019/03/post-79-669840.html
デンタルフロスと歯間ブラシは「どちらが優れているか」という議論が続いています。コクランレビュー(複数研究の総合評価)によると、1ヵ月後・3ヵ月後いずれのプラーク除去率にも両者でほとんど差がなかったという結論が出ています。 意外ですね。
ただし、歯肉炎の改善に関しては歯間ブラシのほうが有効とされています。 これは歯間ブラシのほうが歯肉縁付近への物理的接触面積が大きいことが要因と考えられます。つまり歯肉炎リスクが高い部位には歯間ブラシが有利です。
一方、デンタルフロスには歯間ブラシにはできないことがあります。それが歯周ポケット内、具体的には歯肉縁下3.5mmまでのプラーク除去です。 歯間が狭い部位や歯周ポケットが形成されている部位には、フロスが唯一対応できます。これは必須の知識です。
歯間が広がっている患者さんや歯周ポケットが浅い方には歯間ブラシを、ポケットが深い部位や歯間が狭い方にはフロスを使い分ける指導が、科学的エビデンスに基づいた正しいアプローチです。
歯科従事者向けの参考情報として、歯間ブラシとフロスの科学的根拠を詳しく解説したページです。
歯間ブラシ vs デンタルフロス|歯科医が科学的根拠で教える使い分け
フロスの糸にはワックスあり・ワックスなし・テープ状など複数の素材バリエーションがあります。歯科従事者が患者さんへ指導する際、この違いを踏まえた提案ができているでしょうか。
ワックス加工されたフロスは滑りがよく、歯間が狭くてフロスが通りにくい患者さんに向いています。一方、ワックスなしタイプは歯面との摩擦が大きく、汚れをよりしっかりかき出す効果が期待できます。テープ状のフロスは幅が広いため、歯間が比較的広い患者さんや歯肉退縮がある部位に適しています。これだけ覚えておけばOKです。
フロスの操作中によくある誤りとして「スナップ挿入(勢いよくパチンと入れること)」があります。歯肉乳頭(歯茎の三角形の部分)を繰り返し傷つけると、炎症や出血の原因になります。 歯科従事者が実際にデモンストレーションをしながら「ゆっくり横にスライド」という動作を見せることが、正しいフォームの定着に最も効果的です。
関連)https://www.kanamaru-dc.jp/news/types_of_Floss.html
また、フロス使用頻度についても見直しが必要な場合があります。「1日1回でよいか?」という疑問に対し、最低でも就寝前1回、理想は1日2回というのが専門家の見解です。 ただし正しい使い方で1日1回行うほうが、間違った方法での毎日2回よりはるかに有益です。頻度より質が条件です。
関連)https://www.aqua-dental-clinic.net/blog/2019/03/post-79-669840.html
患者さんへの指導では、歯磨き後のフロスから始めてもらい、習慣化した段階で歯磨き前への移行を促すステップアップ指導も現実的なアプローチです。 ライオン歯科衛生研究所のサイトでは、フロスの種類と操作方法についてビジュアルでわかりやすく解説されています:
関連)https://www.okamuragroup.co.jp/column/2009/
歯間清掃用具の種類と選び方の詳細は以下の公的資料が参考になります。
| 物質 | モース硬度 | 比較対象 |
|---|---|---|
| チョーク | 1 | 最も柔らかい |
| 純金・石膏 | 2 | 指先で傷つく |
| 鉄・真珠 | 4 | 一般的な金属 |
| ガラス | 5 | 骨と同程度 |
| 天然歯(エナメル質) | 7 | 水晶と同等 |
| ジルコニア | 8〜8.5 | エメラルド相当 |
| ダイヤモンド | 10 | 最硬物質 |
| 種類 | 特徴 | 価格帯(目安) |
|---|---|---|
| ソフトカセッテ | マジックテープ式・軽量・扱いやすい | 約6,000円〜30,000円 |
| ハードカセッテ | 金属製フレーム・耐久性が高い | 約20,000円〜45,000円 |
| フレキシブルカセッテ | 柔軟性あり・湾曲装置に対応 | 装置仕様により異なる |
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