あなたが今のまま抜歯と骨造成を続けると、数年後に数百万円単位の機会損失が出るかもしれません。

歯周炎や関節リウマチのような慢性炎症では、TNF-αなどのサイトカインがDkk-1発現を誘導し、骨芽細胞分化を抑制しつつ破骨細胞分化を促進し、骨吸収優位のバランスへ傾けます。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
つまり骨形成ブレーキ解除が鍵です。
歯科臨床でいえば、同じレベルのプラークコントロール不良でも、Dkk-1シグナルを抑えられれば、インプラント禁忌レベルの骨欠損になる前に踏みとどまれる可能性があります。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
結論はWnt制御が歯槽骨保存の軸です。
これは「環境によってDkk-1の役割が変わり得る」ということですね。
抗DKK-1抗体は、骨粗鬆症モデルマウスに全身投与した研究で、骨量増加と破骨細胞数の減少傾向が確認され、骨吸収抑制ではなく骨形成促進を主因とする骨量増加が示唆されています。
関連)https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11753/
マウスの実験では、抗DKK-1抗体投与により骨髄細胞レベルでの変化よりも、全身レベルでの骨量増加が顕著で、補綴治療で問題となる顎堤吸収の長期的抑制に応用可能性があります。
関連)https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11753/
この「骨形成を押し上げる」性質は、従来のビスホスホネートや抗RANKL抗体と大きく異なる点です。
関連)https://med.ethics-system.hiroshima-u.ac.jp/rinri/publish_document.aspx?ID=3539
骨芽細胞側を積極的に刺激する薬剤ということですね。
臨床に近いところでは、同じWnt系統のターゲットとしてスクレロスチン中和抗体ロモソズマブが既に骨粗鬆症治療薬として実用化されています。
関連)https://www.pmda.go.jp/drugs/2019/P20190122003/112292000_23100AMX00004_H100_1.pdf
ロモソズマブは骨形成の抑制因子であるスクレロスチンに結合し、その作用を阻害することで、月1回210mg皮下投与・1年間というレジメンで有意な骨折リスク低下が示されています。
関連)https://www.pmda.go.jp/drugs/2019/P20190122003/112292000_23100AMX00004_H100_1.pdf
ただし、骨吸収抑制能も併せ持つため、ビスホスホネートや抗RANKL抗体と同様に薬剤関連顎骨壊死(ARONJ / MRONJ)のリスクが懸念され、広島大学の歯周病態学分野などで「ロモソズマブと顎骨壊死発症リスク」の検証が進行中です。
関連)https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23K15973/
つまりWnt制御薬は両刃の剣です。
歯科としては、以下のような場面でdkk-1 inhibitor/関連薬剤への理解が直接的なメリットになります。
歯周炎では、炎症性サイトカインがDkk-1を誘導し、骨芽細胞のWntシグナルを切断して骨形成を抑えると同時に、破骨細胞分化を促進して骨吸収を加速させます。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
このため、従来の「スケーリング・SRPとgTRだけ」という戦略では、炎症コントロール後も骨形成ブレーキ解除が不十分なケースでは、骨欠損の回復が限定的になりがちです。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
つまり二段構えの設計です。
インプラント周囲炎でも同様に、炎症環境でDkk-1が上昇すれば骨吸収が先行し、せっかくの骨造成部が短期間で失われるリスクがあります。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
Dkk-1を抑えた骨再生なら問題ありません。
臨床的には、現時点で純粋なdkk-1 inhibitorを歯槽骨局所に使える状況ではありませんが、次のような「周辺技術」を組み合わせると、Wnt制御の恩恵を間接的に取り込めます。
関連)https://www.hotetsu.com/s/doc/irai2018_4_04.pdf
このとき、患者さんに説明する際は「骨を壊す力を減らすだけでなく、骨を作るスイッチを入れ直す治療です」と、Wntシグナルとdkk-1 inhibitorのイメージを簡単な図や比喩で伝えると、追加費用の説明もしやすくなります。
これは使えそうです。