アリスソフトが生んだ伝説のRPG「闘神都市」シリーズの知られざる開発秘話から、独自の戦闘システム、そして現代に至るまでの進化の歴史まで、ゲームファンなら知っておきたい情報を徹底解説。このゲームが与えた影響力とは？
闘神都市2のBGMと作曲家Shadeの制作秘話を完全解説
アリスソフトの名作『闘神都市2』のBGMについて、作曲家Shadeさんの制作秘話から楽曲の特徴、現代での遊び方まで詳しく解説。PCゲーム音楽の歴史を振り返りながら、その魅力に迫ってみませんか？
闘神都市2の音楽システムは、PC-98版とWindows95版で大きく異なる実装がなされています。PC-98版では、MUSICLALFというツールを使用したFM音源による独特のサウンドが特徴でした。一方、Windows95版ではCDオーディオデータを採用し、より高音質な音楽再生を実現しています。
楽曲制作には、元アリスソフト所属のShadeさんが携わり、特にWindows版では全曲の編曲を担当しました。PC-98版のオリジナル曲はDRAGON ATTACK氏による作曲で、「闘神都市テーマ」や「闘神の館 - 戦場」など、多くの印象的な楽曲が生み出されました。
Shadeさんは、PCゲーム専門誌『テクノポリス』への投稿経験を持ち、その経験が闘神都市2の音楽制作に大きく活かされています。特に注目すべきは、古代祐三氏の楽曲をベースにしたアレンジコンテストへの参加経験で、これが後の作曲活動に大きな影響を与えたとされています。
2014年には3DS版『闘神都市』のリメイクにも参加し、主題歌「LIGHT OF LOVE」を手掛けました。この楽曲では、ゲーム主題歌のロングバージョンも制作され、新たな解釈による音楽表現が実現されています。
現代のWindows環境で闘神都市2のBGMを楽しむには、いくつかの設定が必要です。Windows7以降の環境では、「_inmm.dll」というプラグインを使用することで、CDオーディオデータの再生が可能になります。
ただし、一部の戦闘シーンでフリーズする現象が報告されており、その対処法としてウィンドウのタイトルバーをクリックする方法が知られています。また、system3.5の最新版を適用することで、より安定した動作が期待できます。
闘神都市2の楽曲は、PCゲーム音楽史に大きな足跡を残しています。特に注目すべきは、FM音源からCDクオリティへの移行期における音楽表現の変化です。PC-98版での制約のある環境下でも豊かな表現を実現し、その後のWindows版では高音質化により新たな魅力を引き出すことに成功しました。
楽曲の評価について、当時の雑誌『LOGiN』では「PCゲーム音楽の新境地を開いた」との評価を受けています。特に印象的な楽曲として以下が挙げられます：
2014年のニンテンドー3DS版では、これらの楽曲が現代的にアレンジされ、新たなファン層の獲得にも成功しています。
PC-98時代に使用されていたMUSICLALFは、FM音源に対応した革新的な作曲ツールでした。このツールの特徴は以下の通りです：
Windows版への移行期には、サウンドドライバの開発も重要な課題でした。当時のアリスソフトでは、独自のサウンドドライバ「SYSTEM3.5」を開発し、これにより安定したBGM再生を実現しています。
現在では、これらの楽曲をより高音質で楽しむための様々な取り組みが行われています。例えば、同人音楽サークルによるアレンジ集の制作や、ハイレゾ音源化プロジェクトなどが進行中です。
| バージョン | 音源形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| PC-98版 | FM音源 | レトロな音色、独特の質感 |
| Windows版 | CDオーディオ | 高音質、豊かな表現力 |
| 3DS版 | デジタル音源 | 現代的アレンジ、新規楽曲追加 |
このように、闘神都市2のBGMは、技術の進化とともに様々な形で発展を遂げてきました。現在でも根強いファンを持ち続けている理由は、時代を超えて響く楽曲の普遍的な魅力にあるといえるでしょう。
今後も、エミュレータの進化や新たな音楽再生技術の登場により、これらの名曲を楽しむ方法は更に広がっていくことでしょう。PCゲーム音楽の歴史において、闘神都市2のBGMが果たした役割は非常に大きく、その影響は現代のゲーム音楽にも確実に受け継がれています。