チルディ・シャープは、「ランス10」においてリーザス親衛隊の副隊長という重要な役職に就いています。前作「ランス9」での活躍が認められ、昇進を果たしたのです。彼女の上官であるレイラ・グレクニーがリック・アディスンとの結婚が決まったため、近い将来親衛隊長に昇格することが既に決定しています。
リーザス親衛隊は女性だけで構成された精鋭部隊であり、その中でもチルディは若くして頭角を現した実力者です。常に「女性最強」を目標に掲げ、日々鍛錬を重ねています。彼女の努力家ぶりは徹底しており、人に努力している姿を見られることを極端に嫌う一面も持っています。
ゲーム内では、リーザス魔人討伐シナリオでシルキィとの戦闘に参加し、レイラとの見事なコンビネーションで魔人に立ち向かいます。また、ランス城浮遊ルートでは、レッドアイと魔軍30万によるランス城襲撃の際に、リーザス金の軍の副将として重要な役割を果たします。
彼女の戦闘スタイルは、優雅さを重視した「あくまで優雅に、木の葉が舞うように!」という決め台詞に表れているように、スピードと技巧を活かした剣術が特徴です。
チルディ・シャープの戦闘能力は「ランス10」において非常に高く評価されています。彼女はレベル44の戦闘能力を持ち、AP累積型三連撃のハイブリッド剣術を駆使します。この特性により、ターン制限のある2枚抜きやホーネット奪回のような短期間で高火力が必要な場面で特に輝きます。
彼女の使用する武器は、ペプシ剣術のために刀身を短く詰めたリーザス正剣(武器補正4)です。さらに特定の条件を満たすと、チルディ専用の高ランク短剣「ムーンクァイ」(武器補正12)に持ち変えることができ、戦闘力が大幅に向上します。
チルディが習得している「ペプシ剣術」は、剣豪ペプシドジンから教わった特殊な剣術で、独特の体運びにより攻撃回数を一回増やすという効果があります。この技術により、彼女は少ない攻撃機会でも大きなダメージを与えることが可能になっています。
また、リーザス親衛隊の一員として、レイラとの絶妙なコンビネーションを活かした戦術も彼女の強みです。ランス城襲撃の際には、さも突出してしまったかのように芝居をし、調子に乗って突っ込んできた魔物兵達を後方からのカラーの弓矢でハリネズミにするという頭脳戦を見せています。
チルディ・シャープには、戦闘能力とは別に隠された才能があります。それは「お菓子作り」です。実は彼女は幼い頃に夢の中で神様から「お菓子を作りなさい」という天啓を受けていたのですが、何を聞き違えたか「武器を取りなさい」と言われたと思い込み、騎士に志願することになりました。
「ランス10」では、彼女のお菓子作りの才能はレベル31という高い数値で表現されており、支援配置で「食券保持中」になるという特殊能力を持っています。この能力は支援作戦のような短いマップでも食券3枚確保可能という驚異的な性能を持ち、ゲーム後半になるほど食券の効果が膨大になるため、非常に有用なキャラクターとなります。
彼女のお菓子作りの腕前は、甘党コンビのベゼルアイと折女に特に高く評価されており、チルディにおはぎを作らせるために殺し合いを演じさせるほどでした。しかし、チルディ本人は剣の腕前で認められたいという思いが強く、お菓子作りの才能については不機嫌になるほど認めたくないという複雑な心境を抱えています。
クルックー・モフスの技能鑑定によると、彼女の菓子作り能力は「世界トップクラスのスーパー菓子職人になれる菓子作りLv2」と認定されており、経験がほとんどないにも関わらず、世界最難関のケーキ作りを簡単にこなせるほどの才能の持ち主です。
「ランス10」におけるチルディ・シャープのストーリー展開は多岐にわたります。特に印象的なのが「リーザス解放」シナリオでの活躍です。このシナリオでは、彼女は半ばランスに騙され、半ば自分の勘違いで、リッチの街で行われる「ガールズショー」に参加することになります。
ガールズショーでは、彼女の脳筋系たる由縁を遺憾なく見せつけ、展開次第ではランスによる再調教を受けた上、見事穴奴隷として優勝します。その後、廃人化したヨシフに差し出されるという危機的状況に陥りますが、ヨシフの生殖器を斬り落として大ダメージを与え、魔人討伐隊の勝利へと結びつけるという活躍を見せました。
人間関係においては、上官のレイラ・グレクニーとは競争意識を持ちながらも良好な関係を築いています。また、リック・アディスンを尊敬する人物として見ており、ランスとは複雑な関係にあります。ランスは彼女を「運命の相手」と認識していますが、チルディ自身は「いーやーでーすーわー」と抵抗の姿勢を見せています。
さらに、「ランス10」の2部では、彼女とランスの間に生まれた娘「アーモンド・シャープ」が登場します。現在はリーザスの若手の指南役を務めており、ランスの息子の一人でリーザス王子のザンス・リーザスの教育係の一人としても活動しています。
「ランス10」においてチルディ・シャープは非常に実用的なキャラクターです。彼女の活用法は主に二つの側面から考えることができます。
まず一つ目は、AP累積型三連撃を持つLv44の戦闘能力を活かした高火力アタッカーとしての運用です。この特性は、短期決戦や高難度の敵との戦闘で特に威力を発揮します。特に専用武器「ムーンクァイ」を入手すると、その火力は飛躍的に向上します。
二つ目は、支援配置で「食券保持中」になるお菓子作りLv31を活用した食券収集役としての運用です。食券は「ランス10」において非常に重要なアイテムであり、特に後半になるほどその価値は高まります。チルディは短いマップでも3枚の食券を確保できるため、効率的な食券収集に貢献します。
実際のゲームプレイでは、以下のような戦略が効果的です。
また、チルディは「ランス10」の複数のシナリオで重要な役割を果たすため、彼女を育成しておくことでストーリー展開の幅が広がります。特に「リーザス魔人討伐」や「リーザス解放」のシナリオでは彼女の存在が鍵となることがあります。
彼女の性格や特徴を理解した上で、戦闘と支援の両面で活用することが、「ランス10」を効率的に攻略する上での重要なポイントとなるでしょう。
チルディ・シャープの魅力は、彼女の個性的な台詞や言動にも表れています。「ランス10」における彼女の名台詞をいくつか紹介しましょう。
「あくまで優雅に、木の葉が舞うように!」
これは彼女の決め台詞であり、どんな状況でも優雅さを保とうとする彼女の信条が表れています。戦闘においても美しさを追求する姿勢は、彼女の騎士としての誇りを象徴しています。
「いーやーでーすーわー」
運命の赤い糸が繋がっているのがランスだと知った時の台詞です。既に調教を受けているにも関わらず、彼女の抵抗の姿勢が伺えます。
「いーーーやーーー」
自分の小指に繋がっている赤い糸が、ランスの足の指に繋がっていた事を知った時の台詞。さらに強い拒絶反応を示しています。
彼女の個性として特筆すべきは、その努力家ぶりです。人に努力している姿を見られることを極端に嫌い、常に完璧な姿だけを見せようとします。また、小柄な体型を気にしており、探索の休憩時に骨格作りのための牛乳摂取をしている姿が見られることもあります。
さらに、彼女の複雑な心理も魅力の一つです。剣の腕前で認められたいという強い願望がある一方で、実は世界トップクラスのお菓子作りの才能を持っているという矛盾。この葛藤が彼女のキャラクターに深みを与えています。
また、チルディは過去に恋愛経験もあり、剣のホープであった正規軍の騎士(18)と付き合っていましたが、技術を奪い取って彼の実力を上回った時点で別れています。さらに50才の剣豪じいさんとも付き合い、奥義である必殺技を教えてもらった後に別れるなど、恋愛においても実利的な一面を持っています。
このように、強さと優雅さを追求する一方で、意外な才能や複雑な心理を持つチルディ・シャープは、「ランス10」において非常に魅力的なキャラクターとして描かれています。
チルディ・シャープには、ゲーム内では明かされていない興味深い裏設定や開発に関する秘話があります。まず注目すべきは、彼女のキャラクター設定のルーツです。
実はチルディは、「鬼畜王ランス」に登場していたキャラクター「ラファリア・ムスカ」がリファインされたキャラクターだと考えられています。アリスソフト公式ブログでは、織音氏が「まぁ旧ラファリア位置のキャラですよね」と発言しており、この変更はほぼ確定的です。両キャラクターの共通点は緑色の髪程度しかありませんが、ストーリー上の立ち位置や役割に類似点が見られます。
また、チルディの菓子作りの才能については、当初はレベル3(伝説級)ではないかと推測されていましたが、公式ブログでレベル2であることが明らかにされています。それでも世界トップクラスの才能であることに変わりはなく、この設定は彼女のキャラクター性を深める重要な要素となっています。
「ランス10」の開発過程では、チルディのストーリー展開についていくつかの選択肢が検討されていたようです。特に「ガールズショー」のエピソードは、プレイヤーの選択次第で展開が大きく変わる重要なポイントとして設計されました。
さらに興味深いのは、「ランス10」の2部における彼女の立ち位置です。ランスとの間に生まれた娘「アーモンド・シャープ」の存在は、彼女とランスの関係が最終的にどのような形になったのかを示唆しています。
ゲーム内では明かされていませんが、チルディの名前「Tillday Shape」には「形を整える日」という意味が込められているという説もあります。これは彼女の完璧主義的な性格や、常に自己を磨き上げようとする姿勢を象徴しているとも考えられます。
また、「ガールズショー」における彼女の穴奴隷ネームは「チルディ早川」、ランスの調教師ネームは「ジョージ・ワシントン」というユニークな設定も存在します。このようなユーモアを交えた設定も、シリアスな世界観の中に遊び心を加える要素となっています。
このように、チルディ・シャープは表面的な設定だけでなく、開発側の意図や裏設定も含めて非常に奥深いキャラクターとして「ランス10