ハンド・トロールはランスシリーズにおいて重要な拠点の一つです。主人公であるランスが活動の根城としていた場所であり、シリーズを通じて彼の冒険の起点となっています。特に初期のシリーズでは、ランスがシィルと共に生活していた場所として描かれており、多くのファンにとって思い入れのある場所です。
ランス10では、物語が大きく展開し、ハンド・トロールからランス城へと拠点が移行していきます。これはランスの成長と共に、彼の影響力や責任が拡大していくことを象徴しています。ランス城は単なる居住地ではなく、人類軍の重要拠点として機能し、魔軍との決戦において中心的な役割を果たします。
ランスという主人公の特徴として、「女を濡らす事」や「自己中心的な考え」を特技としながらも、シリーズを通じて多くの仲間や信頼できる部下を集めていく過程が描かれています。ハンド・トロールからランス城への変遷は、そんな彼の人間関係の広がりと深まりを物語っているとも言えるでしょう。
ハンド・トロールはランスが長年にわたって拠点としていた場所であり、彼の忠実な奴隷であるシィル・プラインとの思い出が詰まった場所です。シィルはランスシリーズを通じて重要なヒロインの一人であり、ランスとの関係性は複雑ながらも深い絆で結ばれています。
シィルはGI1000年2月10日生まれの魔法使いで、身長156cm、体重46kgという小柄な女性です。彼女はランスの奴隷として彼に仕えていますが、実はランス自身が認めないものの、シィルは彼にとって特別な存在となっています。ランス10では、シィルが氷漬けになるという悲劇的な展開がありますが、クルックーの尽力によって最終的に解呪されるという重要なストーリーラインが描かれています。
ハンド・トロールでの二人の生活は、初期のランスシリーズで描かれており、ランスの自由奔放な性格とシィルの献身的な姿勢が対照的に描かれています。この拠点は、ランスの冒険の原点であり、彼が「世界中の美女をモノにする」という目標を掲げる前の、比較的シンプルな生活を送っていた時代の象徴とも言えるでしょう。
ランス10において、ランス城は人類軍の重要拠点として描かれています。魔軍との戦いの中で、ランス城の防衛は物語の重要なターニングポイントとなります。
ランス城侵攻イベントは、プレイヤーにとって大きな試練となります。このイベントでは、戦闘なしで敗北するという「負けイベント」が発生することがあり、これによって物語の流れが大きく変わります。敗北した場合、連合軍はJAPANの織田城へと司令部を移すことになり、いわゆる「JAPANルート」に入ることになります。
このルートに入ると、大陸への干渉ができなくなるという制限が生じます。これは戦略的にも大きな不利となり、魔軍に対抗する選択肢が限られてしまいます。そのため、ランス城の防衛に成功するかどうかは、ゲームの展開に大きな影響を与えるポイントとなっています。
防衛戦略としては、部隊編成が重要となります。特に「ハニージッポ+ヒーラー全振り構成+かなみのお祈り手裏剣」という戦法が効果的とされており、これによって20ターンを耐え抜くことが可能になります。ランス城の防衛に成功すれば、より多くの選択肢を持ちながらゲームを進めることができるため、この戦いは非常に重要です。
ハンド・トロールを拠点としていた頃のランスは、まさに「鬼畜戦士」の異名にふさわしい自由奔放な性格を持っていました。彼は身長173cm、体重65kgの戦士で、GI998年1月5日生まれという設定です。技能レベルは剣戦闘LV2、盾防御LV1と、特別強力というわけではありませんが、彼の最大の特徴は「才能レベルに限界がない」という点です。
これは数値上、闘い続ければ無限に強くなっていく可能性を秘めているということを意味します。ランス10では、彼のレベルは40(才能限界値∞)まで成長しており、その潜在能力の高さが伺えます。
しかし、ランスの人物像は単純な戦闘狂ではありません。彼は「女を濡らす事」や「自己中心的な考え」を特技としながらも、シィルやシーラ、ウルザなど好意を持ってくれている女性に対しては意外なほど自信がなく、子どもなど本当に弱い者に対しては優しさを見せることもあります。
ハンド・トロールでの生活は、そんなランスの複雑な人間性が垣間見える場所でした。彼は表面上は自己中心的で好色な性格を見せながらも、実は仲間を大切にし、特にシィルに対しては特別な感情を抱いています。ランス10では、そんな彼の人間性がより深く掘り下げられ、シリーズの集大成として描かれています。
ランス10のゲームシステムは、シリーズの集大成として非常に洗練されたものとなっています。特に冒険進行システムは「ウルティマ型、ウィザードリー型に張るくらいのすごい発明」と評されるほど革新的なものでした。これはTRPG(テーブルトークRPG)でのGM(ゲームマスター)の頭の中をそのままマップにしたような印象を与えるシステムで、プレイヤーに高い自由度と没入感を提供しています。
このシステムの開発には多くの工夫が凝らされており、内部的な計算式処理部分もプログラマーによって専門的に作り込まれています。これによって、より高度な処理や仕掛けを実装することが可能になりました。
ハンド・トロールからランス城への進化は、このゲームシステムの発展とも並行しています。初期のシリーズでは比較的シンプルだった拠点が、ランス10では戦略的な要素を含む複雑な拠点へと進化しています。ランス城にはビスケッタ・ベルンズ以下数十名のメイドたちが雇われ、単なる居住地ではなく組織的な拠点として機能するようになりました。
また、ランス10は2部構成の作品となっており、魔人界でのケイブリス派の勝利により全軍をもって人類圏に攻めてくる第1部と、その後の物語を体験する第2部に分かれています。この構成により、物語の規模と深さが大幅に拡大し、ハンド・トロールからランス城への変遷も含めて、より壮大な物語が展開されています。
ハンド・トロールとランス城を語る上で欠かせない存在が、ランスの忠実なメイドである「あてな」です。あてなはランス10においても重要な脇役として登場し、ランスの生活を支える存在として描かれています。
あてなの最大の特徴は、彼女が人間ではなく人造人間であるという点です。彼女は設計と異なり頭が悪く、日常生活においてもトラブルを巻き起こすことがありますが、その素直かつ従順な性格と「ご主人様」であるランスへの深い愛情は、多くのファンの心を掴んでいます。
興味深いのは、あてなの製作過程です。制作材料にランスの体液が混ざったため、当初の設計とは異なる性格になったという設定があります。また、ランスの要望によって乳首(あてなver2.01)や女性器(あてなver20.02)なども追加されており、彼女の存在自体がランスの好色な性格を反映しています。
ランス10では、あてなはランス城の宝物庫の警備担当となっており、彼女の役割も進化しています。また、彼女は女性キャラクターで唯一、禁欲モルルン(ランスが女性に近づけなくなる呪い)の効果を無効にできるという特殊な能力を持っています。これは彼女が人造人間であるためと考えられますが、この能力はストーリー上で重要な役割を果たすことになります。
あてなの存在は、ハンド・トロールからランス城への変遷の中でも一貫して変わらない、ランスの生活の支えとなっています。彼女の忠誠心と献身的な姿勢は、ランスという複雑な主人公の人間性を引き立てる重要な要素となっているのです。
ランス10には複数のエンディングが存在し、プレイヤーの選択によって物語の結末が大きく変わります。その中でも特に印象的なのが「タイムカプセルエンド」です。このエンディングでは、リトルプリンセス(美樹)の魔王化が止められなくなった状況で、彼女の時間を止めるという選択をします。具体的には、古代戦艦後に戻り、メガデスのコールドスリープ装置で彼女を眠らせるという展開になります。
このエンディングは、ゲーム序盤の古代戦艦後探索が伏線になっているという巧みな構成が特徴です。プレイヤーは最初にこの場所を訪れた時には気づかなかった要素が、後になって重要な意味を持つことになり、物語の深みを増しています。
ハンド・トロールの行方については、ランス10の物語の中では直接的には描かれていませんが、ランスの冒険の原点として象徴的な意味を持ち続けています。ランス城が魔軍の攻撃を受け、人類軍が敗北する可能性もあるゲーム展開の中で、原点であるハンド・トロールの存在は、プレイヤーに初心を思い出させる役割を果たしています。
また、ランス10の物語は単なる勧善懲悪ではなく、世界の仕組みや神の存在など、より深いテーマも扱っています。鬼畜王ランスで提示された神の存在と世界の仕組みは、ランス10でより深く掘り下げられ、プレイヤーに衝撃的な内容を提供しています。
ランス10は2018年2月23日に発売され、2025年現在で7年以上が経過していますが、その完成度の高さから今でも多くのファンに愛されています。開発者自身も「5年、10年後にまた遊んで貰えたらうれしい」と語っており、長く遊べる作品として設計されていることがわかります。
ハンド・トロールからランス城への変遷を含め、ランスの冒険は多くのプレイヤーの心に残る物語となっています。そして、その物語はエンディングを迎えた後も、プレイヤーの記憶の中で生き続けているのです。