ヘルマン皇帝 ランス10 シーラの革命と共和国への道

ヘルマン帝国の美しき皇帝シーラ・ヘルマンとランスの関係性を徹底解説。傀儡から実権を握る大統領へと成長した彼女の物語とは?ランス10ではどのような活躍を見せるのでしょうか?

ヘルマン皇帝 ランス10 シーラの成長と活躍

シーラ・ヘルマンの変遷
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傀儡皇帝時代

11歳で即位するも宰相ステッセルと母パメラに実権を握られ、城の奥に軟禁される日々

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革命への参加

ランス9でランスと出会い、異母兄パットンの革命に加わり人間的成長を遂げる

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共和国大統領へ

ヘルマン革命後、共和国初代大統領として自らの意思で国を導くリーダーへと成長

ヘルマン皇帝シーラの出自と秘められた血筋

シーラ・ヘルマンは、表向きには第45代ヘルマン皇帝とパメラ・ヘルマン皇后の子として認知されていますが、実際は皇后パメラと宰相ステッセル・ロマノフの不義の子です。つまり、彼女は本来のヘルマン家の血筋ではなく、皇位継承権を持たない存在でした。この事実は、ステッセルとパメラ以外には知られておらず、シーラ本人も知りませんでした。

 

さらに興味深いことに、ステッセルは聖魔教団時代から続くイグノン家の末裔であり、シーラは知らないうちに魔鉄匠の家系の血を引いていました。この血筋が後のストーリー展開で重要な意味を持つことになります。バステトという存在が主であるイグノンの血を引くシーラに危害を加えられなかったり、魔鉄匠の血筋がなければ扱えない装置を操作できたのはこのためです。

 

シーラは11歳という若さで第46代ヘルマン皇帝に即位しましたが、年齢を理由に政治は難しいとされ、母パメラが皇帝代理となりました。実質的には宰相ステッセルと皇太后パメラが全ての実権を握り、シーラは城の奥に軟禁される日々を送っていました。一人のメイドにさえ逆らうことができないほど、彼女には何の権限も与えられていなかったのです。

 

ランス9における皇帝シーラとヘルマン革命の展開

「ランス9-ヘルマン革命-」でシーラ・ヘルマンは初めて姿を見せます。それまでのシリーズでは名前だけが言及されていましたが、実際に登場するのはこの作品が初めてでした。

 

物語の序盤、シーラはルシアン=カレットという偽名で登場します。ランスは奴隷商人から彼女を救出しますが、後に彼女がヘルマン帝国の皇帝であることが判明し、物語は大きく展開していきます。

 

この作品では、シーラの異母兄とされるパットン・ヘルマンが中心となって起こすヘルマン革命が主要なストーリーラインとなります。パットンは第7次HL戦争後(ランス3の時代)に戦死したことになっていましたが、実際は生き延びており、腐敗したヘルマン帝国の政治体制を変革するために革命を起こそうとしていたのです。

 

シーラはパットンを幼少期より慕っており、パットン自身も彼女を大切な妹として扱っていました。革命の過程でシーラはランスの「奴隷2号」となり、共に冒険を重ねる中で人間的な成長を遂げていきます。

 

ヘルマン革命の結果、ステッセルとパメラによる独裁政権は崩壊し、国は再び「ヘルマン共和国」として生まれ変わります。そしてシーラは共和国初代大統領に就任することになるのです。

 

ランス10でのヘルマン大統領シーラの活躍と成長

「ランス10」では、かつての傀儡皇帝だった少女の姿はもうありません。ヘルマン革命を経て、シーラは自分の意思で国を導くリーダーへと成長しました。第二期大統領選でも当選を果たし、国民からの絶大な支持を得ています。

 

ランス10の時点では、シーラはヘルマン共和国の大統領として2期目を務めています。彼女の美貌と知性から、国民には国の元首として慕われており、中には女神のように崇拝する者まで存在するほどです。

 

第二次魔人戦争(ランス10の主要な出来事)では、シーラはヘルマンを守るためにランスと共に戦います。彼女はステッセルの血を引いていることが幸いし、聖魔大戦以降活動を停止していた闘神ゼータや闘神シグマ、さらには闘将の軍団を再起動させることに成功しました。

 

また、ランスが魔軍との最初の戦いに乗り出そうとした際には、リア、マジック、香姫、クルックーの4人と共に何の疑いもなく参戦するなど、前作での経験から度胸がついた面も見られます。ランスが「人類のトップになる」と宣言して大反発を食らう中、真っ先に傘下に加わることを宣言するなど、ランスへの忠誠心も健在です。

 

ヘルマン帝国から共和国への変遷と政治体制

ヘルマン国家の歴史は非常に古く、大陸一の歴史と軍事力を持つ北方の大国として知られています。国の紋章はヘルマンの頭文字を意匠化した「H」のマークです。

 

初代元首ザナゲス・ヘルマンの伝説的な一騎打ち62連勝によって、GI0532年に諸国が統一され、ヘルマン共和国が建国されました。しかし、シーラの父である第45代皇帝の時代には「ヘルマン帝国」と国名が変更されていました。

 

ヘルマン帝国は北の軍事大国として、魔法力では三国中最低である半面、大陸屈指の軍事力を誇っていました。しかし、土地が痩せている上に政治の腐敗により民の生活は貧しく、豊かな土地を求めてリーザス王国に度々侵攻していましたが、いつもうまくいきませんでした。

 

ヘルマン帝国は鎮台制を採用しており、各地方ごとに軍団が常駐し、その管区内で治安維持など、ある程度の軍政を敷いていました。しかし、中央の腐敗のために各地方の軍団は資金難に苦しんでおり、地方に行けば行くほど盗賊などが横行していました。

 

ランス9での革命後、国は再び「ヘルマン共和国」となり、シーラが初代大統領に就任します。リーザス王国との和睦が成立し、友好国としての道を歩み始めました。LP0007年(ランス10の時代)には第二次魔人戦争が起こり、魔人ケッセルリンクによって西部地域が被害を受けるなどの試練もありましたが、シーラの指導の下で国は立ち直っていきました。

 

ヘルマン皇帝シーラの人物像と特徴的な能力

シーラ・ヘルマンは、ランスシリーズに登場する王族のキャラクターの中でも珍しく「正統派のお姫様」と言えるキャラクターです。多くの王族キャラクターがアクの強い個性を持つ中で、彼女はある種の異彩を放っています。

 

彼女の美貌は大陸全土に知られており、ランスがヘルマンに向かった理由の一つも、シーラと関係を持ちたいという欲望からでした。

 

ヘルマン人特有の体質として、シーラも精神面では非常に頑強です。ヘルマンの女性らしさとは「芯の強さ、逆境にも負けぬ強い心の持ち主」とされており、シーラもその特性を備えています。

 

特筆すべき点として、シーラは屈強なヘルマン人の血筋のため、体力的な持続力が非常に高いことが挙げられます。計らずも性豪のリアと69勝負となった際には、意図せずリアを返り討ちにしました。おまけに翌日、リアはへたばったままだったのに対し、シーラはピンピンしていたというエピソードもあります。

 

また、ステッセルの血を引いていることで、魔鉄匠の家系の特殊な能力も持っており、これが後のストーリー展開で重要な役割を果たすことになります。特に、闘神ゼータや闘神シグマ、闘将の軍団を再起動させる能力は、第二次魔人戦争において大きな戦力となりました。

 

ヘルマン皇帝と「鬼畜王ランス」における別設定

シーラ・ヘルマンは「鬼畜王ランス」にも登場していましたが、正史(ランス1~10)とは異なる設定となっています。この違いを理解することで、キャラクターの発展と作品の進化が見えてきます。

 

「鬼畜王ランス」では、シーラは宰相ステッセルによって麻薬漬けにされ、ステッセルの意のままに操られる人形になってしまっていました。彼女を救えるかどうかはプレイヤーであるランス次第という展開でした。

 

一方、正史である「ランス9-ヘルマン革命-」では、麻薬漬けの設定は消滅し、単に城の奥に幽閉されている状態に変更されています。これにより、シーラ自身の意思と成長をより描きやすくなり、キャラクターとしての深みが増しました。

 

また、「鬼畜王ランス」の世界では、ヘルマンの地方都市に対してランスが恒常的に略奪を働いていたという設定もありました。これは正史では大きく変更され、ランスとヘルマン(特にシーラ)の関係性はより複雑で深いものとなっています。

 

「ランス9」のバッドエンドの一つでは、鬼畜王と同様にシーラが麻薬漬けにされてしまうという展開もあり、過去の設定へのオマージュとなっています。

 

これらの設定変更は、シリーズの発展とともにキャラクターや世界観がより洗練され、深みを増していったことを示しています。特にシーラというキャラクターは、単なる救出対象から、自らの意思で行動し成長する主要キャラクターへと進化を遂げたのです。

 

ヘルマン帝国も同様に、単なる敵国家から、複雑な政治状況と歴史を持つ立体的な国家として描かれるようになりました。ランス9での革命を経て、ヘルマン共和国として再出発する展開は、シリーズ全体のストーリーアークの中でも重要な転換点となっています。

 

ランス10以降のヘルマン共和国とシーラの将来

ランス10の後日談となる「二部」では、シーラは引き続きヘルマン共和国の大統領として登場します。興味深いことに、彼女自身は一度退任も考えていたようですが、気づいたら推薦され、何もしていないのに選挙に勝って引き続きヘルマンの大統領となっていたというエピソードもあります。

 

これは、シーラが国民からどれほど信頼され、支持されているかを示すエピソードであり、彼女の統治が成功していることの証でもあります。かつての傀儡皇帝から、国民に愛される真のリーダーへと成長した彼女の姿が描かれています。

 

ヘルマン共和国は、シーラの指導の下でリーザス王国との和睦が成立し、友好国としての道を歩み始めました。かつての軍事大国から、平和を重んじる国家へと変貌を遂げつつあります。

 

人口約5100万人、兵力31万人を擁するヘルマン共和国は、依然として大陸の主要国の一つとして重要な位置を占めています。シーラの統治下で、かつての腐敗した政治体制は改革され、より民主的な国家運営が行われるようになりました。

 

また、ヘルマン人特有の特性として、男性は死ぬまで体格・身長が成長し続けるという体質があり、女性も精神面では非常に頑強です。このような国民性を持つヘルマン共和国が、シーラの指導の下でどのように発展していくのか、ランスシリーズのファンにとっては興味深い点でしょう。

 

シーラ・ヘルマンというキャラクターは、ランスシリーズの中でも特に大きな成長を遂げたキャラクターの一人です。傀儡皇帝から始まり、革命を経て、自らの意思で国を導くリーダーへと変貌を遂げた彼女の物語は、シリーズ全体を通しても印象的なものとなっています。

 

ランス10以降の世界で、シーラとヘルマン共和国がどのような道を歩んでいくのか、公式の続編や外伝が発表されれば、さらなる展開が見られるかもしれません。いずれにせよ、シーラ・ヘルマンは、ランスシリーズの中でも特に魅力的で印象的なキャラクターとして、多くのファンの心に残り続けるでしょう。