魔人ますぞえは「ランス」シリーズにおいて特異な存在として知られています。凶悪ハニーから生まれた魔人で、「奈落の主」という別名を持ち、ハニー達からさえも恐れられる存在です。
ますぞえの最大の特徴は「ハニー体質」と呼ばれる特性です。この体質により、通常の魔法攻撃が完全に無効化されます。ランスクエストでの初登場時には、この特性によって魔法攻撃が全く通用せず、物理攻撃のみが有効という特殊な戦闘を強いられました。
また、ますぞえの体からは無尽蔵のぷちハニーが湧き出ているという設定があります。これらのぷちハニーは爆薬として使われることもあり、一般的な窯で焼かれて生まれるハニーとは異なり、魔人ますぞえを起源としています。この特性は、ますぞえがただの魔人ではなく、ハニー族と深い関わりを持つ特殊な存在であることを示しています。
興味深いことに、ますぞえは魔人でありながら無所属を貫いています。ケイブリス派やホーネット派といった魔人の派閥に属さず、独自の立場を保持していますが、唯一ハニーキングの命令には従うという特異な関係性を持っています。この関係性は、ますぞえの出自や誕生の秘密と関連している可能性があります。
ランス10では、魔人ますぞえは地底世界に引きこもっている状態で登場します。プレイヤーの選択次第で、東芝王子と一緒に地底世界の冒険に出た際にますぞえと遭遇することができます。
ますぞえとの戦闘は非常に特徴的で、ランスクエストとは異なり、ランス10では何故か魔法が通じるようになっています。これは純粋なゲームバランス調整のためと考えられており、低CPでの戦闘を可能にするための措置と推測されています。
戦闘においてますぞえは、蓄積APを消失させる「放水」や全キャラクターのスキルを行動済みにする「差し押さえ」など、プレイヤーのAP消費スキルを阻害する行動を多用します。そのため、AP累積型のスキルに依存するユニット編成では苦戦を強いられることになります。
効果的な対策としては、以下の戦術が有効です。
ますぞえを倒すことができれば、第二部修行の際にハニーインザスカイに現れる魔人を選べるようになるという特別な実績が解放されます。この実績により、ますぞえとかわぞえのどちらかを選択できるようになり、ゲームの幅が広がります。
魔人ますぞえの物語的背景は非常に興味深いものです。ランスクエストでは、ランスたちの来訪がハニーにとっての特別な日に偶然重なったため、無敵結界を解除して対戦することになりました。この戦いでますぞえは敗北しますが、その後魔血魂となって控えていたハニーたちの餌食になるという展開を迎えます。
しかし、ここで驚くべき事態が起こります。ますぞえの強大な精神が宝主を上書きし、元通りの姿となって復活するのです。これは魔人の魔血魂が通常の方法で消費された場合でも、特殊な条件下では復活が可能であることを示す重要な事例となっています。
ランス10では、ますぞえはケイブリスから何度も手紙を受け取り、第二次魔人戦争に参加してカオスの使い手を殺すよう要請されていました。しかし、ますぞえは「まだ本気になる時が来ていない」と考え、一貫して参加を拒否しています。ただし、ケイブリスに免じて100年後には協力すると約束しているようです。
プレイヤーがランス10でますぞえを倒した場合、いつも通りハニーたちが魔血魂を奪おうとしますが、今回はランスによって素早く没収されるという展開になります。この魔血魂は後にAL教で保管されますが、15年前にとあるハニーによって盗み出され、新たな魔人「かわぞえ」として生まれ変わるという複雑な経緯をたどることになります。
ランス10において、魔人ますぞえは大作戦「亜人ポピンズ」にて分岐の挑戦ボスの一体として登場します。この戦闘に勝利しても難易度上昇はないため、メダル確保のために挑戦する価値があります。なお、戦闘回避も可能となっています。
ますぞえのゲーム内ステータスは非常に高く、魔人四天王に迫る強さを持っています。スキルとしては、1.5倍必中2APの「ハニーフラッシュ」と、40%の確率で行動阻害を発生させる「差し押さえ」を使用します。特に「ハニーフラッシュ」は単純に使用するだけでも十分な威力を発揮します。
2周目以降では、周回ボーナスにチェックを入れることで宝箱からますぞえを入手することが可能になります。所属は「神魔」となっており、その強力なステータスとスキルは、派閥戦争時にケイブリスもホーネットも彼を引き込もうとした理由を物語っています。
ますぞえを入手して自軍に加えることができれば、その高いステータスと使いやすいスキルにより、多くの戦闘で活躍することが期待できます。特に物理攻撃が有効な敵に対しては、「ハニーフラッシュ」の高い火力が大きな武器となるでしょう。
ランス10の第二部では、プレイヤーの選択によって「ますぞえルート」と「かわぞえルート」という二つの異なるストーリー展開が用意されています。これは、第一部でますぞえを倒した際に得られる実績と密接に関連しています。
「ますぞえルート」を選択した場合、ますぞえがあまりにも怠け者であるため、ハニーキングによってプレイヤーたちが刺客として地底に送り込まれるという展開になります。このルートでは、元々の魔人ますぞえと直接対峙することになります。
一方、「かわぞえルート」を選択した場合は、ランス達が回収してAL教で保管していたますぞえの魔血魂が、15年前にとあるハニーによって盗み出され、新たな魔人として生まれ変わっていたという展開になります。このルートでは、ますぞえの魔血魂から生まれた新たな魔人「かわぞえ」と戦うことになります。
両ルートの戦闘内容は基本的に似ていますが、「かわぞえ」の方は魔法無効のハニー体質が付いているという違いがあります。このため、魔法使いを多用する編成では「かわぞえルート」の方が難易度が高くなる傾向があります。
ハニーインザスカイでの戦闘では、親友として選ばれたキャラクターと共に戦うことになるため、編成によっては相方が魔法使いで役立たずになったり、無敵結界が剥がせないなどの問題が発生する可能性があります。そのため、どうしても困難な場合は「ますぞえルート」を選択することが推奨されています。
ドロップアイテムの違いは「かわぞえメダル」になる程度で、影響は統合部隊くらいしかないため、純粋に戦闘の難易度を考慮してルートを選択するのが良いでしょう。
魔人ますぞえは、ランスシリーズにおいて独特の発展を遂げてきたキャラクターです。初めは初回本やラフ集で書かれるのみでしたが、ランスクエストで初めてゲーム内に登場し、その後のシリーズで徐々に設定や背景が深められてきました。
ランスクエストでの初登場時、ますぞえはメインストーリーのラストボスを遥かに凌ぐ強さを持つ隠しボスとして実装されました。当時は相当な準備がなければ勝利するのが難しいほどの強敵でした。
マグナムで追加された「真奈落の王?」では、ランス達の強さに興味を示したハニーキングに対戦の席を譲るという展開がありました。続く「真奈落の王??」では前座扱いとなり、唐突に現れた女神ALICEに「邪魔だから」という理由で縦一閃で真っ二つにされるという、非常に哀れな最期を迎えています。この際は死体が灰となって散り、通常時の定番である魔血魂の出現シーンもなく、ますぞえの扱いの変化を象徴する出来事となりました。
ランス10では、地底に引きこもっている設定となり、プレイヤーの選択次第で遭遇できる隠しボス的な位置づけに戻っています。また、第二部では「ますぞえルート」と「かわぞえルート」という二つの展開が用意され、ストーリー上での重要性が増しています。
このように、魔人ますぞえはランスシリーズの中で、単なる強敵から物語に深く関わるキャラクターへと発展してきました。特に魔血魂の扱いや復活の描写は、魔人という存在の特性を示す重要な事例として機能しています。
ランス10に登場する魔人たちの中で、ますぞえは非常に特異な存在です。ここでは、ますぞえと他の魔人たちを比較し、その独自性を分析してみましょう。
まず、派閥所属の観点から見ると、ランス10開始時点で現存する魔人の多くはケイブリス派かホーネット派に所属していますが、ますぞえは「無所属」という立場を貫いています。これは小川健太郎と並んで珍しい特徴です。ただし、ハニーキングの命令には従うという特殊な関係性を持っています。
能力面では、ハニー体質による魔法無効化という特性が最大の特徴です。他の魔人たちがそれぞれ独自の能力を持つ中で、ますぞえのハニー体質は防御面で非常に強力な特性となっています。また、体から無尽蔵のぷちハニーが湧き出るという設定も、他の魔人には見られない独特なものです。
出自についても、多くの魔人が人間や既存の種族から変化したのに対し、ますぞえは凶悪ハニーから生まれたという特殊な背景を持っています。これは魔人の多様性を示す一例となっています。
以下の表は、ますぞえと他の主要な魔人たちの特性比較です。
魔人名 | 派閥 | 特徴/能力 | 出自 |
---|---|---|---|
ますぞえ | 無所属 | ハニー体質(魔法無効)、ぷちハニー生成 | 凶悪ハニー |
ホーネット | ホーネット派 | 魔人筆頭、高い戦闘能力 | ガイと人間のハーフ |
ケイブリス | ケイブリス派 | 魔人四天王、最古参 | リス |
レッドアイ | ケイブリス派 | 寄生能力、高い魔法力 | 魔法具(宝石) |
小川健太郎 | 無所属 | 異世界人としての知識 | 人間(異世界人) |
この比較からも分かるように、ますぞえは魔人の中でも特に異質な存在であり、その特異性がキャラクターとしての魅力を高めています。また、魔血魂から復活するという展開も、魔人という存在の可能性を広げる重要な事例となっています。
魔人たちの中でも、ますぞえはプレイヤーの選択によって様々な展開を見せるキャラクターであり、ランス10の世界観の奥深さを象徴する存在と言えるでしょう。